2012年4月10日火曜日

自動車の2つのニュース

どうも。

久々に書きますが、今日は直近の主なニュースから、

2つの自動車関連のニュースについて書きます。



まず、「日産、九州生産5割超」というニュースです。

日産は今まで追浜工場で行なっていた「ノート」の生産を子会社である

日産自動車九州へ移管することを発表し、

これにより日産の国内自動車生産の5割が九州に集中することになりました。

九州での生産のメリットは
・中国という大きな市場に近いこと
・部品生産地である中国・韓国に近いこと
・追浜工場のある神奈川よりも労務費が安いこと

などがあります。

また中国など今までの生産拠点の労務費高騰や、円高の若干の是正も

追い風になったのではないでしょうか。

トヨタやダイハツも九州における生産を増やす動きを見せています。



2つ目のニュースは「トヨタ、車台共有し原価2割減」というニュースです。

トヨタは2014年ごろから発売される新車について今までと異なる生産手法を

導入することを発表しました。

これはVWや日産が先行して導入しているものと同じ戦略で、

いわゆる「モジュール化」の流れの一つと考えています。

3つの車台を開発し、異なる車種でもこの3つの車台から設計できるように

することによって開発の期間を短縮し、

同時に部品も従来の半分程度を共通化することで

開発効率が09年比3割ほど向上するそうです。

先行するVWなどに比べ日本勢は研究開発費が高めといわれていて、

こうした手法の導入により、以前より原価の低減を図り、その分を

商品力強化に向けるそうです。








この2つのニュースに共通するのが、

「部品メーカーの再編を迫る」出来事だということです。

九州に集積させた生産に使われる部品は、多くが九州と中韓の部品メーカー

の製品です。今まで採用されてこなかった中韓の部品が、

輸送コストの低下で、今後採用されていくでしょう。

その時、今までになかった、国産部品メーカーと中韓の部品メーカーの

国産車における競争が熾烈なものになるでしょう。


また部品の共通化は、

その分ひとつの部品の大量発注が増え、原価低減の圧力が

今まで以上に部品メーカーにはかかります。

また世界各地に拡散する生産拠点に供給する必要性が高まるため、

それに応じ得るだけの供給体制が求められます。


この2つの要因が国内部品メーカーの合併・買収・提携の動きを

急激に後押しするような状態になるのではないかと、個人的には思います。


1 件のコメント:

  1. 参考になりました!色々とありがとうございます。

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